読書感想文

ネタバレを含みます。

『さめない街の喫茶店』

はしゃ先生著、全2巻のグルメ漫画です。



ずっとweb上で追っかけていた作品でしたが、先日ついに単行本をゲットしたので、今回はこちらの感想を書いていきます。





物語は、主人公・スズメが夢を見始めるところから始まります。
夢の舞台はルテティアという架空の街。異国情緒漂うこの街で、スズメはキャトルという喫茶店に住み込みで働くことになります。


なぜ覚めなくなったのか。
なぜここにいるのか。


そんな不安など消し飛んでしまうほど、住民はみな朗らかで、おいしいものもたくさんあって、彼女はその居心地の良さに一日でも長くこの夢が続くように祈りながら、今日もお菓子を作ります。








(以下感想。ネタバレを含みます。)











物語を読み進めていくにつれ、スズメがルテティアに来るのは何か悲しいことがあったときだ、ということがわかります。

悲しみが癒えれば帰れるはずだ、と住民が教えてくれますが、1日2日で帰れないとなると、よほど大きな悲しみが現実の彼女を襲ったのでしょう。

一体何があったんだろう…とドキドキしながらページをめくりました。

スズメが覚めたら私達もルテティアとお別れなのだと思うと切なくて、美味しいご飯をみんなで食べるその時間がとてつもなくかけがえないのないものに見えて、2巻ははじめから最後まで泣きっぱなしでした。

いろんな食材をまるで魔法みたいにおいしい料理に変えてくれるスズメちゃんにバブみを感じました。私もスズメちゃんのごはん食べたい…。出てくる料理がどれも美味しそうで、読んでいると思わずお腹が空いてくる漫画でした。実際にいくつか作ってみましたがめちゃくちゃ美味しかったです…。

美味しいご飯を目の前にしたときのみんなの顔とか、それぞれのキャラがご飯のことを考えてるときの嬉しそうな顔とか、好きなポイントを上げればキリがないです。

現実でも、大切な人と一緒にご飯を食べられる機会は有限です。その一回一回を大切にしたいなと思える、「食事」の魅力が存分に詰まったお話だったと思いました。


おわり