読書感想文

ネタバレを含みます。

『いびつ』

こちらは原作ではなく実写映画の方の感想となっています。

アマプラで無料(2020/12/11現在)なので、気になったら是非見てみてね。あ、見る時は必ずイヤホンをしてね。

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

あらすじ(Amazonより)

 

気弱なフリーター柿口啓吾は、ある日電車で女子高生の森高円に痴漢だと間違われる。円に捕まった啓吾は駅のトイレまで連れて行かれ、無理矢理無様な格好をさせられ、写メを撮られてしまう。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

↑を読んでゾクッときたので見てみました。

正直、アダルトなテーマであることを抜きにしても映画としてウケるのかなという疑問はあります。柿口啓吾も森高円も円満な家庭で育っておらず、人格形成に難がある人物なのですが、結局最後まで彼らは変化も成長もしません。ただただ二人のやりとりを映像にして見せられるだけなので、人によっては「何を見せられているかわからない」といった印象を抱き兼ねないなと思いました。

ですが、それですら好意的に受け入れてしまうくらい私はこの作品が大好きでした。

 

では、その理由を書いていきます。

 

主人公である柿口啓吾はかなりのマゾヒストなのですが、この作品、マゾの描き方がめちゃくちゃリアルなんです。作者の「こんな娘にこんなふうにいじめられたい」(もしくはこんな風にいじめたい、かも…?)って妄想をそのまま見せられてる感じでした。

 

この主人公、感覚おかしいんですよ。円にバイブをしゃぶらされ、それを写真に撮られ、拡大コピーを自宅の前に貼られ、家にまで押し掛けられ、居候され、顔や声について「気持ち悪い」「生理的に受け付けない」「最低」と事あるごとに罵られるのに、登校の準備をしている彼女の背中に「気をつけてな、雨降るらしいから傘持っていけよ」って声かけるんです。これ、主人公の異常性を描くための演出じゃないんです。ただのワンシーンなんですよ。

最初、この二人は成長せずドラマも起きないと書きましたが、当然です。この映画はキモ男矯正ストーリーでも、サイコホラーでもないんです。純愛なんですよ。だから二人がキスして終わるんだなあ!!

私キスシーンって苦手で、始まると大抵とうえぇ…って顔になるんですけど、この映画のキスシーンは思わず巻き戻して二回観ました。思い出してもときめきます。本当に良かったです。

 

 

あらすじで気になった人は是非見てみてくださいね。

※間違っても親の前では見ないほうがいいです。18禁用語と男の喘ぎ声がしょっちゅう飛び交うのでイヤホンもしてね。

※女性優位は絶対に逆転しないので安心してください。